Q.そもそも雇用契約における身元保証人の役割は?
一般に、従業員が業務に関連してお金を持ち逃げしたり、重大な過失により会社に損害を与えた場合に、従業員と連帯して、企業が被った損害を賠償(連帯保証)する責任を負う者を言います。
Q.雇用に際して、従業員に身元保証人の差入れを求めていない(今まで問題になったことがない)のですが、問題ありますか?
いいえ。問題ありません。身元保証人は、企業様に将来的に損害が生じた場合に、従業員自身に賠償の資力が無いなどの理由により、損害が補填できないときに必要になるものです。今まで従業員に、何も問題無く業務にあたってもらっており、今後もそのように勤務して頂ければ問題はありません。

ただし、これは絶対に交通事故が起きないのであれば、自動車保険は一切、必要ないのと同じロジックです。当社にご相談いただく企業様は、従業員の故意又は過失(ミス)によって損害が生じたあとに、ご連絡を頂くケースが圧倒的に多いです。

皆様、「まさか従業員が売り上げの一部をごまかしているとは思わなかった」「もっと早く、雇用契約時に身元保証サービスを使っていれば良かった」と一様にご相談いただきます。私共も、もっと早く(損害が発生する前に)ご相談や当社保証サービスのご利用を開始していただければと、日々、歯がゆい想いをしております。

また、ご相談いただく企業様の中には「従業員が会社に与えた損害は、従業員本人の給料から毎月天引きして、補填させてるから、身元保証人は必要ない」といった非常に危険なご意見を頂くこともあります。これを法的に分析すれば、使用者が労働者の債務不履行又は不法行為を理由とする損害賠償債権を自働債権として労働者の賃金債権と相殺することとなり、原則として、賃金の全額払い(労働基準法第24条)違反として許されません。

何より、このようなやり方では、従業員の就労意欲の低下、退職リスクの高まりを招き、結果、企業経営としてはマイナス要因になることは明白と言えるでしょう。

Q.当社では、雇用契約を結ぶにあたって、従業員の家族や友人などを身元保証人にしてもらっていますが、なにか問題ありますか?
むしろ今まではそれが一般的であり、例えば、ご両親やご友人が、企業様の求めにより、やむを得なく、身元保証人を引き受けておりました。いわゆる「従来型の身元保証人制度」です。従来型の身元保証人制度には、概ね次のような問題点が指摘されております。

①身元保証人のなり手がいないこと。
特に社内の法務整備が進んでいる企業様の特徴として、身元保証人を従業員の3親等以内の親族以外の者を提供させるなどの対応をしていることが多い傾向にございます。
これは法的側面から見れば当然です。身元保証人は、従業員が企業に損害を与えた場合に、従業員とともにその損害を補填する役割を担う者です。例えば従業員の配偶者を身元保証人として、企業に提供しても、同一家計の可能性が高く、担保的機能は極めて脆弱だからです。
そこで、企業は同一家計ではない人物(知人・友人)等を身元保証人として差し入れるよう求めますが、会社規模が大きく、また、リスクマネジメントに取り組んでいる企業であればあるほど、その傾向は強くなります。就職希望者にとっては、非常に負担であることは言うまでもありませんが、企業にとっても雇用機会の喪失につながりかねません。

②企業・従業員のいずれにとっても、関係性の悪化を内在する法律関係になってしまうこと。
例えば、ご両親が身元保証人になっている場合で、従業員がミス(過失)によって、勤務先に損害を与えてしまった場合、勤務先からご両親に請求される、ということになれば、ご両親に迷惑がかかってしまう事は避けられないでしょう。
他方、企業様にとっても、損害を補填したいが、従業員の両親にまで請求をしてしまうと、従業員との関係性の悪化は避けられません。
結局、従業員のご両親やご友人が身元(連帯)保証人になってしまうと、たとえそれが法律的に有効であっても、良い側面がほとんどありません。

③従来型の身元保証人に請求しても、費用対効果が極めて悪いこと。
いわゆる従来型の身元保証制度を採用している会社であっても、実際には企業が泣き寝入りをしている、身元保証人にまで請求したことはない、といったケースがほとんどではないでしょうか。この原因のひとつは②でご説明したように、従業員との関係の悪化が懸念されることはもちろんですが、回収コストと身元保証人の責任の不明確さがあります。
つまり、企業が従業員の親族である身元保証人に対して請求し、企業の言い分を理解し、任意に払ってくれる身元保証人は、果たしてどれぐらいでしょうか。身元保証人が任意に支払わなかった場合に、企業が多額の弁護士費用や裁判費用を支払い、勝訴判決を得たとしても、実際に回収できるかどうかは相手方(身元保証人個人)の資力によって大きく左右されます。また裁判例では、身元保証法第5条によって個人の身元保証人の責任を大きく減じたもの(実際の請求額の2~3割など)が散見され、身元保証人の賠償責任の範囲は個別具体的な事例によって判断される、極めて不安定なものであります。

④身元保証法によって、企業様にとって身元保証に関する管理が非常に難しく、煩雑であること。
民法改正による影響ばかりが取りざたされておりますが、実は、身元保証契約の期間は上限5年、期間の定めがなければ3年に短縮され、自動更新条項(「本身元保証契約は当事者の異議がない場合には自動的に同一条件で更新する」といった条項)については、裁判所は概ねこれを否定的に判断しています。
企業様におかれましては、一度、自社の身元保証書・身元保証人誓約書等の書類をご確認ください。期間が切れていたり、自動更新条項があるために何らの対応をしていない、ということがあると思います。また、身元保証人の方が亡くなっていたり、住所が変わっていたり、従業員ごとに期間管理をして、更新書類を送り、印鑑証明書の添付があるかを確認して・・・と、非常に煩雑です。身元保証人はリスクヘッジのひとつであり、企業に積極的営利(利益)をもたらすものではありませんので、これほどの時間と人員を割く必要はあるかは疑問としか言いようがありません(なお、当社保証サービスをご利用いただければこのような事務の煩雑さから解放され、本業に専念していただける環境をご提供できます)。

⑤令和2年4月1日施行の民法改正への対応が必須となること。
令和2年4月1日施行(つまりほとんどの企業様では今年の新卒採用の従業員から該当することになるでしょう)の民法改正によって、極度額(上限額)を明記しなければ、(根)保証契約は無効となります。お問合せをいただく中では、「極度額(上限額)をいくらにすればいいか分からない」「上限額を100万円としたところ、身元保証人を断られた」など、企業様には多くの疑問点・不安点があることが判明しております。金額を明記することで、結果、身元保証人の不安が増大しているというケースも見受けられます。
なお、今回の民法改正では、極度額(上限額)の設定の他にも、従業員のご両親・友人等の個人の方を身元保証人としてしまうと、各種情報提供義務を企業様は民法上、負担することになります。また、年度替わりの対応で、労務管理にまで手が回らず、当該改正に対応できていないという企業様もいらっしゃいます。是非一度、弊社までご相談下さい。

以上のとおり、従来型の身元保証人制度は、有名無実化・形骸化しており、ほとんど機能し得ないと言っても過言ではありません。

Q.機関(法人)保証のメリットは何ですか?
弊社は、雇用契約に際し締結される身元保証契約の機関保証を専門で行う新しいビジネスモデルの企業です。
この機関保証には、たくさんのメリットがございます。

従業員様にとっては身元保証人をご両親やご親戚に頼む負担が無くなります。今後は、そういった負担のない企業(「身元保証人不要」とする企業)が就職希望者に好まれる時期に入っていると言えるでしょう。

企業様にとっても、身元保証に関する書類管理・更新時期の把握・民法改正への対応など労務管理面の負担は一気に軽減されます。
加えて、今後ますますの増加が見込まれる外国人雇用にも、身元保証を付帯することが可能となり、更には身元保証を専門に取り扱う当社の保証審査により、反社会的勢力を可及的に排除し、企業のリスクマネジメントに寄与できます(対外的に自社の従業員が身元保証会社の審査を通過していることをアピールし、ブランド力の向上を図ることも魅力のひとつです)。

先述のとおり、従来型の身元保証人制度にはほとんど実益はなく、むしろデメリットの方が大きいことは、実は、ほとんどの経営者様が実感として感じていらっしゃると思います。
他方、企業情報の漏洩、SNS等による従業員による不適切動画の流出・拡散、外国人雇用の必然的増加、反社会的勢力との関与による企業ブランドの失墜、企業と従業員との間の労務問題など、企業様を取り巻く経営リスクは刻一刻と変化し、増加する一方です。

今後、身元保証の機関保証化に対する需要はますます増加すると言われております。
同業他社との差別化という側面からも是非、この機会に自社の身元保証の機関保証化をご検討いただければと存じます。

Q.具体的にどのような損害が保証されるの?
身元保証の範囲は広範にわたります。広義には、従業員が従事すべき業務に関連して、自らの責めに帰すべき事由により、雇用主が被った損害について、身元保証契約により保証されるというのが一般的な理解です。当然、業種によって、企業様が被る損害は異なりますので、一概には申し上げられませんが、一般的には次のような損害が対象となりえます。

 ① 集金業務を担当する従業員がお客様から頂いた売り上げを横領した場合やその一部を自己のために費消していた場合
 ② 現金の両替をするよう指示を受けた従業員が、当該現金を紛失し、それを会社に報告しないまま所在不明になった場合
 ③ 従業員が自ら販売を担当する商品を会社に無断で安価で買い受け又は着服し、転売した場合
 ④ 従業員が居眠り等により、会社が有する機械(美容機器や一般重機など)や備品を故障・毀損させ又はこれにより会社の業務に支障が生じた場合
 ⑤ 企業秘密として、会社が保管している顧客名簿、ノウハウ等の秘密情報を従業員が持ち出し転売又は自己の利用に供する場合
 ⑥ アルバイトが雇用契約・就業規則等に反して店舗内において、明らかに会社の名誉・信用を失墜させる不適切動画を撮影し、無許可でインターネット上に公開し、監督官庁から業務停止処分を受けた場合
 ⑦ 従業員に伝染病の疑いがあり、業務命令として医師の診断書の取得及び自宅待機を命じたにも関わらず、出社し、これによって事業所が営業不能に陥った場合

あくまで一例であり、具体的に例をあげればキリがありませんが、一般論として表現するならば、従業員の故意又は過失によって会社が被った損害が保証の範囲です。
従業員の故意又は過失により会社が損害を被る可能性が全くない企業は理論的にあり得ません。総務であれ、営業であれ、管理職であれ、必ず発生しうる事象です。

何か問題が生じてからでは遅く、リスクマネジメントとしての身元保証の有用性は極めて重要であると言えます。
(弊社の保証商品により保証される、具体的な保証の範囲や保証される金額等については、ご契約プランによって異なりますので、お気軽にお問合せ下さい。雇用契約直後から出社しない、いわゆる「無断退職」事例においても企業様が被った損害の一部が保証されるなど、充実した内容になっております。)

Q.身元保証を代行する会社って、何となく怖いイメージがあるのですが?
見ず知らずの人物を身元保証人として紹介し紹介料を徴収する会社、勤務実態もないのに在籍証明書や収入証明書だけを有償で発行するいわゆる在籍会社など、世の中には違法か合法かもよくわからないサービスがたくさんあります。当社はこういった事業者とは全く異なります。

当社は弁護士、司法書士といった士業者、既に存在する異業種の保証会社、WEB制作会社により設立・運営されている法人であり、各種リーガルチェック、保証業に関する豊富なノウハウ等を完備しており、安心してご利用いただける環境を整備することができました。

例えば銀行で住宅ローンを借りるときの保証協会、建物賃貸借契約を締結する際に加入する家賃債務保証会社と同様、企業(安心して雇用したい)と個人(身元保証人がいなくとも希望する企業で働きたい)の円滑な取引に資する、社会的意義のある企業でありたいと思っております。

Q.身元保証ドットコムの保証サービスを利用するにあたっての流れ、注意点等について教えてください。
必要書類やご契約の流れ、利用にあたって発生する費用等については、専門のスタッフがわかりやすく丁寧にご説明させて頂きますので、まずは是非一度、お気軽にご相談ください。
ご注意いただく点とすると、当社では身元保証をお引き受けする前に、従業員様や就職希望者様に対して審査がございます。

例えば就職希望者様が、反社会的勢力に該当する場合や過去に他の会社で横領等を行っていた事実が発覚した場合、その他弊社独自のデータベース、審査基準等に照らして総合的に判断し、お引き受けできないこともございますので、その点、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

Q.詳しい話を聞きたいのですが?
ありがとうございます。是非、一度、弊社までお電話ください。
民法改正の情報を含め、身元保証に関するご不明点、当社保証サービスついて、専門スタッフが分かりやすく丁寧にご説明をさせて頂きます。

お電話は、平日午前10時00分~午後7時00分まで、メール・FAXでは24時間、お受付しておりますので、お気軽にお問合せ下さい。